フィリピンのテロは治安を悪化させているのか?2017年最新情報

現在、テロのせいでフィリピンの治安は悪化しているのでしょうか?フィリピン留学検討者、現地に行く予定がある人たちのために「テロによる治安の影響」について書きます。

「テロが起きたせいでフィリピンの治安が心配」「今のフィリピンの治安状況は大丈夫なの?」「テロによる治安の影響はないの?」

このような不安や質問をたくさん頂きました。いざ、今みたいな状況下でフィリピンに行くとなると、それは不安でたまりませんよね…

今回はそんな「フィリピンの治安状況」を伝えるために、今まさに現地にいる「滞在歴2年のぼく」が記事を書きたいと思います!

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フィリピンでテロが起きる背景

最近、フィリピンでテロが起きているとメディアでよく見かけますよね?まずは本題に入る前に、フィリピンでテロが起きてしまう背景について簡単にご紹介します。

IS(イスラム国)の活動拠点となっている、もしくはテロがよく発生しやすい国には「それなりの理由」が考えられます。

フィリピン共和国はアジアでは珍しいキリスト教国家です。フィリピン国民のおよそ90%がキリスト教信者と言われています。

一方で、イスラム教徒は全体人口の約5.5%しかいません。そして、その多くのイスラム教徒が集中的にいる地域は「ミンダナオ島」になります。

アジアでは珍しいキリスト教国家として知られているフィリピンですが、国内で2番目に大きい島であるミンダナオでは約4分の1にあたる人たちがイスラム教を信仰しています。

参考記事:【ミンダナオ島テロ】フィリピン現地から最新情報をお伝えします。

そのミンダナオ島の一部の地域では1970年ごろからイスラム系の武装勢力が、分離独立を求めて反政府活動を続けてきたという歴史があります。

ちなみに、最近起きた大規模なテロ行為(戦闘)「マラウィ危機」(IS系組織マウテグループと政府軍の戦闘)は、現在もなお続いています。

【ミンダナオ島テロ】フィリピン現地から最新情報をお伝えします。
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フィリピンテロの最新ニュース

ここではフィリピンでIS系組織が犯行した事件・ニュースを随時更新していきます。カウントするのは2017年以降で、参考URLはPSIA 公安調査庁

2017年2月16日

フィリピン南部・南ラナオ州マラウィ市で「マウテ・グループ」が国軍兵士らを襲撃し、2人が死亡、1人が負傷。同日、「ISIL東アジア」名の犯行声明が発出。

2017年2月26日

フィリピン南部・スールー州ホロ島インダナンで、「アブ・サヤフ・グループ」(ASG)の一派が、2016年11月から拘束していたドイツ人男性を殺害。

2017年3月31日

フィリピン南部ミンダナオ島・マギンダナオ州ママサパノで路肩爆弾が爆発し、国軍兵士2人が負傷。4月1日、「ISIL東アジア」名の犯行声明が発出。

2017年4月11日

ボホール島でIS系武装勢力とフィリピン軍が武力衝突。双方で計9名が死亡、数名が負傷。

2017年5月6日

フィリピン首都マニラで、地元のシーア派指導者宛てに配達された小包が爆発し、配達人と受取人の2人が死亡、4人が負傷。その後、現場付近で爆弾が爆発し、警察官2人が負傷。

2017年5月23日~現在

「マラウィ危機」IS過激派組織と軍が衝突

IS過激派組織「アブヤサフ」の最高幹部イスニロン・ハピロン容疑者をフィリピン軍と警察が潜伏先のマラウイ市で拘束しようとした際、マウテグループが銃撃戦を展開して始まった。同日にミンダナオ島で戒厳令が敷かれた。

引用:【ミンダナオ島テロ】フィリピン現地から最新情報をお伝えします。

フィリピンの渡航情報(警戒レベル)

画像引用:MOFA 外務省 海外安全ホームページ

こちらは外務省が公開しているフィリピン全体の渡航情報になります。図を見ても分かるように、フィリピン南部にある「ミンダナオ島」地域の警戒レベルが高いことがわかります。

ちなみに、外務省が定義する外国においての警戒レベルには4つの種類があります。

レベル1:十分注意してください

その国・地域への渡航、滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。

レベル2:不要不急の渡航は止めてください

その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。

レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)

その国・地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。場合によっては、現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。

レベル4:退避してください 渡航はやめてください(退避勧告)

その国・地域に滞在している方は、滞在地から安全な国・地域へ退避してください。この状況では、当然のことながら、どのような目的であれ渡航はやめてください。

引用:【ミンダナオ島テロ】フィリピン現地から最新情報をお伝えします。

ミンダナオ島以外を見てみると警戒レベル1の地域がほとんどです。海外生活においてレベル1「十分注意する」ことは至って当たり前のことですよね。

後ほど、本題である「テロによる治安の影響」について詳しく書きますが、フィリピンにとって警戒レベル1は通常の状態です。

首都マニラがあるフィリピンで一番大きい島「ルソン」では、全ての地域においてレベル1と判定されています。

ぼく自身、マラウィ危機が始まった2017年5月23日以前から現在にかけてマニラに滞在していますが、特にテロによる大きな影響はありません。

留学先として人気な「セブ」「マニラ」「バギオ」「クラーク」「イロイロ」に関しても、以前と変わらず全て警戒レベルが1になっています。

また、旅行先として人気なボラカイ島、セブ島も相変わらず影響はありません。しかし、気になるのがボラカイ島に次ぎ人気を誇るリゾート地「パラワン島」の警戒レベルが2になっていることです。

ミンダナオ島に関しては戒厳令が未だに敷かれているので、なるべく渡航を控えましょう。特にマラウィ市付近へは行くのを止め、もし現地にいるとしたら安全なところへの避難が必要です。

また、仕事や用事でダバオ市などに行く必要がある場合は、外務省のホームページなどで最新の情報を確認しておきましょう。

戒厳令とは

当初、ミンダナオ島では7月22日まで戒厳令が有効とされる予定でしたが、最終的に議会は年末まで延長することを決定しました。現段階では戒厳令はミンダナオ島のみに敷かれており、セブ島などの他の地域では一切適用されていません。

「戒厳令」は,フィリピン共和国憲法第7条第18項に基づくもので,フィリピン国内において,侵略,内乱が発生し,公共の安全のための必要があるときは,60日間を超えない期間に限り発出することができるとされています(延長可能)。今回のものは,23日に南ラナオ州マラウィ市内で発生した治安部隊と武装勢力との衝突や同市内の混乱に加え,昨年9月,ダバオ市内で発生した爆弾テロ事件等を踏まえ,ミンダナオ地域全域に対してドゥテルテ大統領が発出を決定したものです。 2.発表によれば,23日に発出された戒厳令は,60日間(7月22日までの間)有効で,治安当局による令状なしの身柄拘束が認められることになるほか,ミンダナオ島西部の南ラナオ州等において夜間外出禁止令が施行される予定です。

引用:セブ日本人会ホームページ

参考:フィリピン南部の戒厳令延長 議会が承認

テロによる治安の影響は?

さて、本題の「テロはフィリピンの治安を悪化させているのか?」という疑問に答えたいと思います。

ぼくは仕事でフィリピン留学エージェントを運営していることもあり、よくフィリピンの色んな地域に出張する機会があります(ちなみに再来月にはミンダナオ島に行く予定)。

また趣味が旅行なので、フィリピンの観光地にも行くことが多いです。

フィリピンのテロ(特にマラウィ危機)は日本のメディアなどでも取り上げられたので、おおくの留学検討者や旅行者から治安について不安の声や質問を頂戴しました。

そういった流れで、いま現在のフィリピンの治安状況を経験者視点で伝えるために本記事を書いています。


結論からいうとテロによる治安への大きな影響はありません。

ここでいう大きな影響というのは、ミンダナオ島以外の地域での治安状況を言います。テロ発生後、むしろマラウィでの戦闘が続く状況下でも、国民の治安に対する不安はほとんどないと言えるでしょう。

大規模なテロ(戦闘)が起きているのに「なんで?」と疑問に感じますよね。個人的にもフィリピンにいて、もの凄く驚いたのですがテロ事件は意外と話題になりません。

すこし悲しい気分にもなりますが「結局、テロなどの大きな事件がまるで他人事」になっているのです。

散々、日本でもあれだけメディアなどで取り上げられていましたが、結局はフィリピン南部ミンダナオ島の「片田舎」で起こっている悲惨事件。

実際問題、フィリピンで起こるほとんどのテロ事件はミンダナオ島で発生します。

多くの国民がキリスト教、7000以上の島々があるフィリピンでは、ISによるテロ事件を自分事として捉えるのがきっと難しいのでしょう。

ミンダナオ島(ダバオ市)に住むフィリピン人の友達がいるのですが、彼はこの時期でも自由にセブ島などの観光地に家族と一緒に旅行をしています。

もちろん、人によってテロに対して警戒する程度は異なりますが、それにしても日本でのフィリピンに対するイメージと実情には大きなギャップがあると感じます。

あまりにも不注意になりすぎることは良くないですが、反対に萎縮してしまい過ぎるのも実情を考えるとあまり意味はないかと思います。

外務省が推奨しているように海外生活においては「十分注意する」心構えを持ちながら、萎縮し過ぎない程度が今の治安状況に相応しいかも知れません。

セブ島留学は大丈夫?

留学先、また旅行先としても人気なセブ島は日本人にとって身近な渡航先です。ミンダナオ島から距離的に近いこともあり、治安を心配する声も耳にします。

2017年4月にはセブ島の隣にある「ボホール島」でIS系武装勢力「アブサヤフ」とフィリピン軍との間で武力衝突が起きて、死傷者も出ました。

本当にセブ島の治安は大丈夫なのでしょうか?

いまのところ、セブ島内でIS系組織が活動しているという報告もなく、未だテロ事件は起きておりません。

外務省も警戒レベル1と判定しているので、マニラなどの主要地域との違いは事実上ないことになります。

また、留学生や旅行者がテロ行為によって活動範囲を制限されるというような事態もないとのことです。

しかし、セブ島は物理的に距離が近いですし、最近のISは観光地や人がたくさん集まる場所を狙う傾向にあるので、十分な注意は必要です。

それに加えて、留学生なら学校関係者、旅行者なら政府機関から最新情報を随時チェックしましょう。ちなみに今の段階ではセブ島で戒厳令は敷かれていません。

世界で起きているテロ事件

2014年にイスラム国が建国されて以来、ISの脅威は世界でも顕著に表れています。移民を受け入れていない、イスラム教徒がほとんど皆無である日本にとって自分事にすることは難しいですが…

しかし、海外で生活するとなるとISの脅威も頭の片隅には入れておかなければならない時代になっているのではないでしょうか。

留学先、観光地としても人気のある「イギリス」では今年に3件もの大きなテロ事件(有名歌手コンサート会場での爆破事件、自動車で人を轢く無差別テロなど)がありました。

ヨーロッパ大陸全体を見ると、テロが多発していると言えそうです。また、アジアのテロ事件も各国・各地で頻発しています。

ISの建国以来、1万5000人もの外国人戦闘員が集まったと言われている今日においては、正直どこにいてもどんな危険があるか予測できませんね…

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は「テロによる治安の影響」「フィリピンのテロは治安を悪化させているのか」について書きました。いまのフィリピンの状況下では、萎縮し過ぎないで十分な注意をすることが大切です。テロに関する最新の情報やニュースがあれば随時更新していきます。

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ブログ管理人:りょーた

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2015年にマニラの大学に交換留学していました。現地密着型エージェント「e-student」を2016年に設立、現在は大学留学の魅力を伝えるために奮闘中です。洋楽と旅行とフィリピンを偏愛しています。留学、英語・タガログ語学習のご相談は公式ラインへどうぞ詳しいプロフィールへ…